2008年5月30日金曜日

アキレス腱断裂保存療法



アキレス腱断裂の装具による保存療法の患者さんがみえますので、治療経過を報告します。

11月1日
バレーボールにて後ろへ下がろうとした際負傷する。
同日当院受診し左アキレス腱断裂あり。よねだクリニックに紹介する。
11月1日
ギプス固定(下腿から足部) 荷重歩行は可。
11月5日
装具できあがったためBK装具(写真:インソールがない状態です)に変更。インソールにより底屈位が保持されている。
11月29日(4週)
自動可動域訓練開始
12月6日(5週)
インソール1段(1枚10°)除去
12月11日
ROM底屈60°、背屈0°
12月13日(6週) 
インソール1段除去
12月20日(7週) 
インソール1段除去
12月27日(8週) 
装具除去(つま先立ち、走ること等のアキレス腱部に負担のかかるような動作は避ける。)
1月7日
ROMフル
1月24日(12週) 
積極的に歩行を開始。
5月23日(約6ヶ月) 
スポーツ許可 
現在痛みはないものの、歩き始めに違和感が残存しています。
アキレス腱部に肥厚はみられます。予防として装具の上から患部を圧迫しておく工夫は必要かもしれません。
バレーボールへは恐怖感があり復帰するかどうかはまだ決めかねています。
ジョギング程度から始めるよう話をしています。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

やはり、以前我々が病院にいた時のように
スポーツ復帰を目指す場合の保存療法は、丁寧に圧迫をしておいたほうが、新生するコラーゲン線維のスペースを減らす効果があるのではないかと思います。強度に関して腱の肥厚が少なければ強いとかはわかりませんが・・・

中高年で特に活動も日常生活動作程度に留まる人たちには管理が簡便そうで装具療法もいいなと思います。

亀仙人 さんのコメント...

浮腫のような高タンパクの成分の貯留は、コラーゲン線維の生成を促して拘縮の大きな原因になるそうです。
中京大学の保健センターの先生は重度の足関節捻挫でもすぐにはギプスを巻かずに徹底的にRICE(特にアイシング)をしてその後固定を行うそうです。
手の外科の先生でも浮腫を非常に嫌うそうです。(在局時代は浮腫はある程度仕方ないかなと思ってましたが)

白石先生のサイトに拘縮についての記事をみつけましたので提示しておきます。
http://jpc.vis.ne.jp/ORTHO/contracture/contracture.html

亀仙人 さんのコメント...

ちなみにアキレス腱からは少しずれるようですが中京大学の先生の勉強会での内容です。

足根洞はコラーゲン線維ではなくエラスチン等の疎性結合組織が多い組織だそうです。このため浮腫があると線維化し拘縮を起こします。
RICEを行わずにギプス固定を行った際よく起こるそうです。
内反させると痛いので踵骨の地道なストレッチを行いますが、繰り返し行うと浮腫を起こしやすいので持続的なストレッチを行うといいそうです。

齋藤先生の発表でも手背はエラスチンが多いということで背側シーネを推奨されていたと思いますが、丁寧な圧迫やアイシングにより浮腫を予防し拘縮を防ぎ、リハビリ期間を短縮していくということが今更ながら大切と思います。

匿名 さんのコメント...

私も病院の現場から離れて6年になります。その間にも当然医療は進歩しているわけでここでの意見を見ていると昔の経験で患者さんに知識をひけらかしてはいけないとつくづく反省させられます。アキレス腱断裂の保存療法については在職中からもいろいろな意見がありましたね。固定範囲は下腿からでいいとか、膝関節の伸展はしてはいけないとか。この間小さい頃から仲のいい近所の男性(31歳)がアキレス腱断裂でお見えになりました。見てみると1mmぐらいの繊維を残して後はきれいに断裂していました。市民病院に紹介をし本人にも手術が必要と説明したのですが手術の日程の関係もあり保存療法でいきます。とのこと。大丈夫かと心配しておりましたが4週経過時患部見てみますと見事にくっついていました。驚きのあまりクスッときてしまいました(不謹慎でした。)最近亀仙人さん、精力的に更新しておられるようですね。勉強させていただいてます。がんばれ。

匿名 さんのコメント...

上記コメントは私です。