2010年9月12日日曜日

サプリメントについて

今月号の関節外科は膝OAの特集です。
その中にグルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸などのサプリメントについての記載があります。
グルコサミンはin vitroでは抗OA作用を示すことが数多く報告されているそうです。またコンドロイチンのin vitroの効果として軟骨細胞からのプロテオグリカン産生を増強したり、滑膜細胞からのヒアルロン酸産生を増強することが報告されているそうです。
つまり経口摂取によって関節軟骨等の材料となるというだけでなく、何らかの生理活性を持つ薬剤としてOAに効果を示す可能性があると思われます。

前回JET会で話をしました大規模RCTの結果についても記載があります。
http://www.contentnejmorg.zuom.info/cgi/content/abstract/354/8/795

OA患者1583人を、グルコサミン塩酸塩1500mg/日、コンドロイチン硫酸1200mg/日、グルコサミン/コンドロイチン硫酸併用、セレコキシブ、プラセボの5群に振り分け24週後の鎮痛効果を評価したところ、患者全体ではグルコサミンの効果を見出すことができなかった。一方中等症以上の症例に限って解析を行うと、グルコサミン/コンドロイチン硫酸併用群で有効性が認められたとのことです。この論文の結論としてはこれらのサプリメントのエビデンスは認められないとのことですが、今後適応を絞るなどによって効果が認められるようになる可能性はやはり0では無いと思われ、これらのサプリメントが効かないと即座に否定してしまうのは少し乱暴ではないかと思われます。

一方、ヒアルロン酸経口摂取の有効性についても、明確なエビデンスはないとのことです。
高分子ヒアルロン酸には抗炎症作用があり軟骨保護に働くが、低分子ヒアルロン酸は炎症、血管新生、動脈硬化を引き起こすそうです。経口摂取により高分子のまま吸収されることは考えにくいとのことから、ヒアルロン酸は高分子の製薬を直接関節に投与しなくては効果がないと推測されるとのことです。

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