2012年10月16日火曜日

木村の前に木村なく、木村の後に木村なし

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読んでみました。これは吉川英治の宮本武蔵と同じように男のバイブルです。さすがに今から柔道をやるわけにはいきませんが、若い頃木村政彦が柔道に命をかけて取り組んだように、柔整の道を究めたくなるようなモチベーションを与えてくれれる良書です。


少し前にわが柔道部OBの増田俊也君が第43回大宅壮一賞を受賞したので、東京で受賞記念パーティを行いますとの招待状が、ある大学柔道部OBの方から送られてきました。なんで自分のところに送られてくるのかと不思議に思いましたが、作者は愛知県出身で高校の柔道部の先輩でした。
インパクトのある表紙で本書の存在は知っていましたが、実際に読んでみようという気はありませんでした。しかしこれも縁と思いAmazonで取り寄せてみました。
届いてみるとうんざりするような分厚さで、しかも2段組です。これは正直読めないだろうなと思っていましたが、いざ読んでみると引き込まれ10日ほどで読んでしまいました。

それまで木村政彦というと、大山倍達の本を通じて強い柔道家だが、力道山のだまし討ちにあって負けたというイメージしかありませんでした。しかしそのイメージは完全に覆されました。

昔大山倍達のあまりの強さに、空手バカ一代をわくわくしながら一気に読みましたが、それと同じ感覚で読み進められます。もっとも空手バカ一代の方はほとんど梶原一騎の創作ですがこちらはノンフィクションです。
木村政彦の修行の厳しさや強さに圧倒されますが、特にヒクソングレーシーのお父さんのエリオグレーシーとの対戦は圧巻です。一部ですがビデオが残っています。大外刈りは失神させようとかけたものだそうです。ちなみに勝負には立ち技による一本や押さえ込みはありません。絞め技か関節技で決着をつけます。つまりギブアップしなければ絞め落とされたり、腕がへし折られるまで試合は続くのです。

http://www.dailymotion.com/video/x7uac3_heloi-gracie-vs-masahiko-kimura-195_sport

一気に読み進めたため、読み終わった後けだるさを感じました。ごく軽い燃え尽き症候群のような感じです。ぜひ映画化を熱望します。
柔道をやったことがある人なら楽しく読めると思いますのでお勧めです。

3 件のコメント:

うめしゅう さんのコメント...

先生のブログを拝見したあとWIKIでも調べてみました。
おもしろそうな内容で書籍の評価も高いので早速amazonで注文しました。
今から楽しみです。

okadaman さんのコメント...

昔、の◯べ先生が木村政彦の身体の調査をしたと聞いたことがあり、先日の懇親会で隣になったの◯べ先生に訊ねました。“ふつうのおっちゃんだったわ”とのことでした。もう現役を退いた時期だったのでしょう。
この本、自分も気になっていたので読んでみます。

亀仙人 さんのコメント...

けだるさは風邪のせいでした。38°の熱がでて1日ダウンしていました。寝ていると熱のせいか夢うつつになるのですが、この本を読んで以後やたら柔道の夢をみます。(例えば柔道着に着替えないかんとか団体戦申し込まないかんとか、たわいもないやつですが)皆さんもお気をつけください。

の◯べ先生は何を調べたんだろうか。気になりますね。