2010年11月22日月曜日

ストレッチングの効果について

運動前のストレッチングについて9月号のコーチングクリニックに面白い記事が出ていたのでまとめだけを簡単に述べます。

10年ほど前よりスタティックストレッチングによるパフォーマンスの低下が示されています。Kokkonenは膝のスタティックストレッチングを行ったところ膝伸展、屈曲における最大挙上重量がそれぞれ8.1%および7.3%低下したと報告しました。その後多くの研究が行われスタティックストレッチングによるパフォーマンスの低下について報告がありましたがこれらは(例えば90秒ストレッチングを行った後に筋力を測定するなど)現場で実際に行われているストレッチングとは乖離しているものだったそうです。このため最近の研究では実際のストレッチング方法に即して検討が行われています。
(日本の調査ではないものの実際の現場での一つの筋群に対してのストレッチ時間は20秒以下が73%、20秒以上が27%だったそうです)

スタティックストレッチングの筋力への影響
最近の研究では1つの筋群に対するスタティクストレッチング伸張時間を30秒より長くしてしまうとパフォーマンスを低下させる恐れがある。逆に言えば30秒未満のスタティクスストレッチングを用いる分には、筋力などのパフォーマンスを低下させる可能性は低いとのことです。ただし30秒以下でもパフォーマンスが低下しないということであり、向上させることではない事に注意が必要だそうです。

スタティックストレッチングの持久力への影響
長座位体前屈など柔軟性が高いものほど持久的な運動中のエネルギー消費量が多い、すなわちエネルギーを無駄遣いすることが明らかにされているそうです。そのため運動中にできるだけエネルギーを消費したい場合には体が柔らかいほうが有利であると考えられ、ストレッチングをジョギング等の持久トレーニングの前に行うことにより減量効果を高める可能性があるとしています。(確証はないそうです)
スタティックストレッチングの持久力に対する影響についての報告はそれほど多くなく、もう少し検討が必要だそうですがトレッドミルの疲労困憊までの時間を測るなどの検討の結果パフォーマンスを低下させるか否か(向上はさせない)という方向で進んでいるそうです。

PNF、スティックストレッチングについて
昔ソフトバンクのベンチでピッチング前に上肢のPNFをしているとの話を聞いたことがありますが、PNFやバリスティックストレッチングがパフォーマンスを向上させたという研究は発表されていないそうです。

ダイナミックストレッチングについて
比較的低速で大きな筋力向上のためのレジスタンストレーニングの、ウォームアップにおけるダイナミックストレッチングの利用は有効とは言えないものの、パワー、垂直跳び跳躍高、スプリント走タイム、メディシンボール投擲距離のパフォーマンスを向上させる効果がみられたそうです。すなわちパワーあるいは瞬発的な運動能力の発揮にはダイナミックストレッチングが有効であるそうです。(今のところパフォーマンスを低下させたことを示した研究が1つもないそうです)

ダイナミックストレッチングはyoutubeで検索すると方法が出てきます。もう取り入れられている方もおられると思いますが、運動指導に使うと目先が変わる意味でも面白いかもしれません。

2 件のコメント:

tomita さんのコメント...

7月号の雑誌Tarzanにも運動前のスタティックストレッチングが良くないというのは、かなり長時間のストレッチングを施してからの運動パフォーマンスの低下を示した実験の結果を元にその結果広く知れ渡ったために言われるようになっただけらしいと書かれていました。
現在ではスタティック+ダイナミックの組み合わせ(従来通り?)が良いのでは…といった記事がありびっくりしていた所でした。

コーチングも見てみたいと思います。

亀仙人 さんのコメント...

スパム扱いになっていました。
申し訳ありません。