2012年1月10日火曜日

神の肉体

最近いろいろ話題の多いスケートの清水宏保選手ですが、
彼の目指していたものはまさに人間がいまだ到達し得ない世界でした。

昔から齊藤孝さんの書く物を読んでいます。最近借りてきたものは読書入門という本です。
その中に吉井妙子著 神の肉体清水宏保というノンフィクションが紹介されています。
(現物は読んでないのであしからず)
清水選手のことはスポーツ講習会で、トレーナーの方から話を聞く機会があって、何となく神経質な人だなと思っていました。しかし実際の清水選手は気さくな成年だそうです。

そして長野オリンピックで金メダルを取った彼は、人類がいまだ到達した経験のない感覚に踏み込むことを目指していたそうです。人類がいまだ到達したことのない経験とは潜在能力を発揮した時の感覚のことで、すなわち火事場の馬鹿力の状態です。スポーツの世界ではZONEとも呼ぶそうです。清水選手はこの世界に意図的に入っていける状態をめざしていたそうです。

具体的なトレーニング方法の一例として、
エアロバイクで負荷を重くした状態でほとんど息をせずに猛烈な勢いでこぐそうです。1分ほどすると大腿が痙攣しはじめ、こぎ終わった後もすぐには自転車から降りられず、また地面に足をつけると痛みのためのたうち回るそうです。
こうして筋肉を無酸素状態にして破壊しては再生させ、その修復の際に一本一本の筋線維まで意識して知覚しようとしていたそうです。そして人間がこれまで気付かずにいた筋肉まで意識して鍛え、いざというときに全ての筋が力を発揮できるようにすること、すなわち火事場の馬鹿力状態を引き出すことが彼のトレーニングの目的のようです。

この読書入門の中ではほんの数ページの紹介で、自分は現物を読む予定はありませんが、なるほどと思ってしまいました。昔三島由紀夫がボディビルをしていて、全身の不随筋をなくすみたいなことを言っていましたが、こうした考えが妥当かどうかは別として天才の考えることは違うなと考えさせられました。

3 件のコメント:

tomita さんのコメント...

実際には1つの前角細胞で10から200本の筋線維を支配しているので、不可能でしょうが…この意識の高さは凄まじいですね。
最近、体の衰えとともに脳も確実に弱っているので、僕も脳細胞のシナプスを1個1個意識して使ってみようかな

うめしゅう さんのコメント...

常人は己の潜在能力の30パーセントしか使えないが、北斗神拳は残りの70パーセントも使うことが極意。(北斗の拳・第1巻より)
これは北斗神拳を会得するよりほかないようです。

亀仙人 さんのコメント...

あながち冗談とは言えないかも知れない。
マンガ見て本気で北斗神拳の世界を目指していたのかも。