2008年4月2日水曜日

冨田先生お勧めの本

冨田先生のお薦めの本読みました。

基本的にマッキンジーと同じ考え方と思いますが、腰椎の屈曲により椎間板後方部の損傷を来たす恐れがあるため腰椎前屈位をとらせない様にするという考え方です。(特に午前中は椎間板の含水量が多く損傷を起こしやすい)

僕も可動域改善を目指してウィリアムズ体操などを行っていますが、腰椎の前屈を行うことによりかえって椎間板の損傷を来たし症状を増悪させる恐れがあるため、背中に棒をあててそこから背中が離れない様な生活指導をすることを勧めています。つまり前屈の可動域改善は特別な場合を除き必要なく、腰部を安定した中間位に常においておくことを最重要視しているようです。

またこの日常生活動作指導と並行し腰部周囲の最大筋力の強化ではなく持久筋力の強化が重要と考えてリハビリ法を提示しています。明日から診療に役立つ書籍だと思いますのでぜひ一読を勧めます。この本の中に神経フロッシングという手技がありましたので以下に一部載せておきます。

神経フロッシング(nerve flossing)

神経内の過剰な緊張が坐骨神経痛の原因である。正常では脊髄神経路は各椎骨の椎間孔を通り脊椎の屈曲、股関節の屈曲、膝関節の伸展時に滑る様に往復運動することが重要である。Louisによれば上記の動作が行われている間に神経は1cm以上移動している。それで、神経がぶつかってスライドできないと上記の姿勢いずれでも、通常は椎間孔を通して神経根を引っ張るがそうならずに神経の緊張を増すことになる。つまり移動するかわりに神経は牽引される。さらに同時に頸椎を屈曲すると神経にかかる緊張は頭側からも増大する。それは頸椎屈曲によって脊髄全体もわずかに動き、神経根が脊髄全長にわたって牽引されるからである。この神経のインピンジの解消を促進し、神経を徐々に解放する手技が神経フロッシングである。

対象

椅子に座った状態でシッティングSLRを行う。

膝を伸ばし腰椎の下方の神経を緊張させる。

足の屈曲(背屈)を加えることで神経をさらに緊張させる。

最後に頸椎の屈曲を加えることで、腰部の上方から神経をさらに緊張させることができる。

上記のどの段階の緊張においても症状が生じれば神経フロッシングの対象候補となる。

方法

患者は腰をかけて両脚を自由にぶらぶらできるようにし、頸椎を屈曲させる。こうすることにより脊髄は頭側端から牽引され尾側端からは解放される。これによって坐骨神経痛の症状が出てはならない。

次に患者は頸椎を伸展させ、同時に坐骨神経痛側膝関節を伸展する。こうすると神経は尾側端から牽引されその分頭側端が解放される。このサイクルは膝関節屈曲とそれに協調した頸椎屈曲運動で完了する。これで神経が脊椎組織の中をフロスする。(通り抜ける)もし患者が頸椎屈曲時あるいは膝関節伸展時に軽い坐骨神経痛症状を経験するようなら痛みが起こらなくなるまで当該関節の可動域を減ずる必要がある。長年坐骨神経痛で苦しんでいる患者の中には2,3日から2,3週間で坐骨神経痛症状の軽減を認めるものもあるが症状がひどくなる患者も存在する。このため初回はかなり慎重に行う必要がある。神経が癒着していて滑らない場合は坐骨神経痛の症状が悪化する。しかし次の日に変化無しあるいは軽減したという場合はフロッシングを増やす様にする。

ちなみに今僕も下肢痛があり昨日より施行中です。今のところ変化無しですが結果はまた2、3日したら報告いたします。




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