2011年6月22日水曜日

スパコン世界一

スパコンで日本が一位に返り咲きました。久しぶりに喜ばしいニュースのような気がします。ついニコニコしてしまいますね。

富士通と理化学研究所により共同開発された「京」は筐体800台以上、CPU6万8544個を搭載しており、今回の計測ではピーク性能8.774 petaflop/sを記録したそうです。2位の中国「天河1A号」は2.6 petaflop/s、3位の米国「Jaguar」は1.75 petaflop/sだそうで、2位の3倍以上の性能があり圧勝といえるでしょう。2012年の完成時にはこれを10 petaflop/s(1京)にまで向上させる予定となっているそうです。

ちなみに最新のCore i7 4コア 3.2GHzで51.2 ギガflop/sです。gigaは10の9乗、petaは10の15乗(1000兆)、京は10の16乗ですので、1京となると市販の高性能のパソコン約20万倍の計算能力があることになります。

事業仕分けでは蓮舫さんが「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言しマスコミ等で叩かれましたが、発言の真意は「1位をとれなくても2位でもいいんじゃないですか?」ではなく「2位では駄目で、1位でなくてはならないメリットは何ですか?」ととらえるべきしょう。「1位をとるのが夢です」と言ったとか言わないとかありますが、プレゼン側の問題もあったとの意見もあります。

開発費用は1120億で事業者と国とで折半していると言われています。ハードウェアを他国へ販売するという計画もあるそうですが、スパコンの販売で採算を取るのは困難だそうです。
他にどのような利用価値があるかというとスーパーコンピューターはシミュレーターとして広く使われています。ゴルフボールのディンプルの空気抵抗の計測は従来は一つ一つディンプルの違う試作品を大量に作りデータを取っていたそうです。しかし、コンピューターでシミュレーションすることによりこの作業が大幅に短縮されます。また携帯電話の落下の衝撃テストでは素材や形状をシミュレーションすることにより少数の試作機でテストできるので、開発コストや期間を大幅に短縮できます。その結果いち早くすぐれた製品を市場に投入できたり、特許など知的所有権を獲得できる事になり、簡単には数字に表れない経済効果を有していると思います。
もし自国にスパコンを所有していない場合は他国にデータの計測をお願いすることになると思いますが、諸事情により断られるケースもあり、またスピードという点で大きく遅れを取ることとなります。

半年天下との噂もありますが、原発により日本の科学技術の信頼が失われつつある時です。なんとか死守してほしいものです。

by Okita(若い衆)

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