2013年11月8日金曜日

腱・付着部症の保存療法 文献拾い読み


整形・災害外科11月号は腱靱帯付着部症についての特集となっています。
その中で腱、付着部症の保存療法として遠心性収縮を用いたトレーニングの記載があります。

遠心性収縮の際、求心性収縮に比較して腱に与える負荷が20%増加し、負荷の増加はコラーゲンの産生とそれぞれのコラーゲン線維のクロスリンクに有利に働き腱再生を促進するとのことです。
またこのトレーニングは増生した神経線維を減少させ、痛みの伝達物質の産生を抑制し、付着部の疼痛を軽減させる効果もあるそうです。

実験的にもドップラーを用いてアキレス腱付着部の微小循環を観察し、遠心性収縮を行った群では血流が低下し、痛みの軽減につながると述べています。血流の低下によってもパラテノンの酸素飽和度は低下せず組織の障害にはつながらないとの報告もあるそうです。

以前野球肘のリハビリでエキセントリックエクササイズを行うというものがありましたが、それはエキセントリック収縮に慣れるという理論付けでした。実際にはミクロ的にこのような変化が起こっているのかもしれません。

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