2013年4月16日火曜日

禁酒補助剤

最近メタボから禁酒をしたいと思っています。
酒を飲むとつい美味しいつまみが食べたくなってしまう。
二日酔いになるともうやめようと思うが、
夜になるとネオンなど恋しくなるんですよね。

アルコール多飲傾向の知り合いがシアナマイドという薬を使用して、
すっぱりとアルコールをやめました。

シアナマイドは禁酒補助剤と呼ばれる物でその薬効をあげると、
通常、お酒を飲むと体内でアルコールが分解していく過程で、アセトアルデヒドという物質が生成されます。アセトアルデヒドは、二日酔いや悪酔いの原因物質でもあり、顔が赤くなったり、頭痛や吐き気を引き起こします。
シアナマイドは肝臓で、アルコールを分解する「アルデヒド脱水素酵素」の働きを阻害します。
つまりこの薬を飲用してアルコールを飲むと、血中アセトアルデヒド濃度を上昇させ、お酒の飲みすぎと同じ状態となります。ほんの少し飲んだだけでも激しい頭痛、顔面紅潮、悪心、嘔吐などの症状が現れ、酒を飲む気が無くなるという物です。
薬を飲んでいる時はアルコールは厳禁で、奈良漬けや香水なども注意が必要とのこと。また禁酒補助剤を使用しているときにアルコールを摂取すると、まれに呼吸困難やてんかん発作を起こして死に至ることがあるそうです。

知り合い曰く「アルコールの匂いをかいだだけでウッとくるとのこと」でなかなか強力な薬だと思いますが、できればこんな薬使わずにいたいですね。


宿醉の朝に       萩原朔太郎
 泥醉の翌朝に於けるしらじらしい悔恨は、病んで舌をたれた犬のやうで、魂の最も痛痛しいところに噛みついてくる。夜に於ての恥かしいこと、醜態を極めたこと、みさげはてたること、野卑と愚劣との外の何物でもないやうな記憶の再現は、砒毒のやうな激烈さで骨の髓まで紫色に變色する。げに宿醉の朝に於ては、どんな酒にも嘔吐を催すばかりである。ふたたびもはや、我等は酒場を訪はないであらう。我等の生涯に於て、あれらの忌忌しい悔恨を繰返さないやうに、斷じて私自身を警戒するであらう。と彼等は腹立たしく決心する。けれどもその日の夕刻がきて、薄暮のわびしい光線がちらばふ頃には、ある故しらぬ孤獨の寂しさが、彼等を場末の巷に徘徊させ、また新しい別の酒場の中に、醉つた幸福を眺めさせる。思へ、そこでの電燈がどんなに明るく、そこでの世界がどんなに輝やいて見えることぞ。そこでこそ彼は眞に生甲斐のある、ただそればかりが眞理であるところの、唯一の新しい生活を知つたと感ずるであらう。しかもまたその翌朝に於ての悔恨が、いかに苦苦しく腹立たしいものであるかを忘れて。げにかくの如きは、あの幸福な飲んだくれの生活ではない。それこそは我等「詩人」の不幸な生活である。ああ泥醉と悔恨と、悔恨と泥醉と。いかに惱ましき人生の雨景を蹌踉することよ。

0 件のコメント: